PEANUTSに学ぶ!ボキャブラリー

スヌーピー好きな語学オタクがPEANUTS全集を読んで英語の楽しさを伝えるブログ

感情的な意味で使えるcrackとwild

PEPPERMINT PATTY "HEY,CHUCK,THIS IS GONNA CRACK YOU UP! ARE YOU LISTENING?"

"MARCIE HAS THIS THEORY ABOUT WHY I FALL ASLEEP IN SCHOOL ALL THE TIME…IT'S A WILD THEORY…WAIT'LL YOU HEAR IT…IT'S REALLY WILD…"

※WAIT'LL=wait till
〜を楽しみに待つ

学校でいつも居眠りしてしまう女の子ペパーミントパティ。寝ている間にチャーリーブラウンを追いかける夢を見て寝言を言っていたのをきっかけに、親友のマーシーからチャーリーブラウンに片想いしているからと原因を指摘されます。そこでその事をチャーリーブラウンに電話で話そうとしている時の台詞です。

crack up?crackはひび割れるという意味ですね。壊れる、ならばyou(チャーリーブラウン)を壊すのでしょうか。それにしてはとても楽しそうにペパーミントパティは話してます。もっと他に意味がある感じです。

ロングマン現代英英辞典より

crack

1 to break or to make something break, either so that it gets lines on its surface, or so that it breaks into pieces(ひび割れるまたはひびをいれること、粉々になること)

2 to make a quick loud sound like the sound of something breaking, or to make something do this
(何かが壊れる、または壊す音のような弾ける音をたてること)
→パーティーグッズのクラッカーはこの意味

上記の概念を感情面に当てはめるとこんな意味があります。

3 if your voice cracks, it starts to sound different because you are feeling strong emotions
(声がクラックする場合、強い感情を抱いているので違う声色になること)

他にも、「強く叩きつける」「強いプレッシャーに押し潰されて何かを続けられない」「問題の答えを見つけたり、理解が難しいことを理解する」「成功することをやめさせる」「中の物を盗むために金庫を開ける」「純正ではないコンピューターソフトを違法にコピーしたり無料で手に入れる」といった意味もありました。

これだけあると幅広いシーンで使われる単語と分かりますが、物が割れるイメージが良くも悪くも物理的・感情的に広がっているのが分かります。

ここでは、感情的な意味で使われているので3の意味になります。

crack up

1 crack (somebody) up to laugh a lot at something, or to make someone laugh a lot
(何かに爆笑したり、誰かを爆笑させること)

2 to become unable to think or behave sensibly because you have too many problems or too much work
(たくさんの問題や仕事があるために冷静に考えたり振る舞ったりすることができない)

ここではcrack upというフレーズなのでさらに1の意味になります。

続いてwildです。つい野性的なとかそんな風にぼんやりと訳してしまいがちですがそういう意味でないのはもう明白です。これも、広がるイメージから捉えると意外な意味に行き着きました。

野性的ってどういうことかというと、こういうことですよね。

1 living in a natural state, not changed or controlled by people
(人間によって変えられたり支配されない、自然な状態で生きること)

知性や理性を持ったものの支配にないこと、この概念を感情的な面まで広げたのがこの意味です。

2 feeling or expressing strong uncontrolled emotions, especially anger, happiness, or excitement
(特に怒り、幸せ、興奮といった抑えられない感情を表現することや感じること)

3 very enjoyable and exciting(とても楽しくて興奮させる)

こうして見ると高ぶる感情なら何でもwildで表現できそうで、そう考えるととても便利ですね。

ここでは主語のitがtheoryを指しているので3の意味になります。
ちょっと意外ですよね。動物や人間以外も主語にできることに汎用性を感じます!